​従来の礫耕栽培のデメリット部分を改良し、

簡単に礫耕栽培が楽しめる栽培ユニットを作るぞ!

礫耕栽培の問題点確認

  • 栽培ベッド​が長く、広い設置場所が必要となる。

  • 給水、排水等配管工事を行わなければならない。

  • ポンプ、タイマー等の選定が難しい。

  • 装置の部材は市販品がないので設備を購入するか自作しなければならない。

  • ​一度設置すると簡単に移設が出来ない。

完成イメージ
以上を念頭に栽培トライアルを行いながら簡単に始められる様な栽培システムを開発開始!
3号ポット栽培テスト

●3号ポットでの装置テスト

 まず初めにイチゴを3号ポットで礫耕栽培装置を試作してみました。

​12月でもあり寒いので室内の窓際で栽培開始。

​礫の粒状は3mm程度の富士山溶岩礫を単体で使用。

一つのポットに1株植え付け、これを3ポット横ならべで1か所の溶液タンクからそれぞれのポットに灌水し、鉢底から流れ出た溶液はタンクに戻ります。

ポンプはタイマーによって1時間に10分定期的に動作させます。

​コンセントにタイマーを差し込みACアダプターを介しポンプを作動させます。

●約3カ月後

 順調に成長し2月に入ると実が成り始めました。

根の生長に伴い排水不良が心配でしたが、排水性は植えつけ当初と変わらず良好です。

 イチゴ3株でしたら2リットルの溶液タンクで十分ですね。

​イチゴならこの程度の容量のポットでも十分栽培できることが分かりました。糖度も15で品種のベニホッペでは高い方で食味は非常に美味しく育ちました。

★考察

  • 礫なので溶液は非常にスムーズに排出されポットからあふれることはありません。

  • 溶液タンクは半透明の容器のため藻が発生するため光を通さない材質かカバーが必要。

  • 溶液を回収するための受け皿は水が溜まらないよう加工しなければならず意外と大変。

プランター栽培テスト

●プランターでの装置テスト

 3号ポットでのイチゴ栽培と同時にプランターでの栽培もテストしてみました。

​​ベニホッペに遅れること1か月。ホームセンターの店頭にも何種るかの苗が並ぶ時期です。

植えつけた苗は章姫、ジャンボイチゴ、トチオトメです。

これで培地の量で成長に変わりはあるかを確認してみます。

 実際にプランターに溶岩礫を入れるとなるとかなりの量になります。20リットル位は入ります。これにイチゴ4株を植えましたが3号ポットが0.3ℓとしてプランターの場合、培地の量は1株あたり5リットルとなり16倍になってしまいます。

​重量も重くなってしまうので軽量のパーライトを1対1で混合しました。パーライトは保水性が高いので影響も確認します。

●約1カ月後

 良い状態で育っている様子です。

上下2段にしたため上段に溶液を汲み上げるのにはちょっと大きめのポンプが必要となります。
ネット通販で数種類購入しセットしてみましたが、物によって動作音が大きかったり故障したりして手こずりました。

●約3カ月後

 良い状態で育っていましたが枯れてきました。

原因を考えてみましたが、1株に3mmのホースで灌水するので

培地の量が多い為に隅々まで溶液が染み渡らない状態です。

灌水により溶液が浸透する境界部分で根が水分を吸うため溶液の濃度が高くなってしまうのかもしれません。

プランターでは培地の容量が多いことから培地全体に溶液を巡らすのは灌水量をかなり多くしないとなりません。

 培地の匂いを嗅ぐとドブ臭いにおいがします。これはパーライトを混用したため、パーライトの保水性が高い為に粒の中に浸透した溶液が滞留してしまい嫌気性菌が増殖したのかもしれません。

★考察

  • プランターでは培地容量がポットに比べ非常に多くなってしまう。

  • 培地の量が増えるため灌水量をかなり多くしないとならない。

  • 定期灌水するため培地には保水性を必要とせず、かえって保水により嫌気性菌の増殖が考えられる。

  • ​培地は溶岩礫中粒単体が好ましいと考える。質量が軽い培地は内部に空洞があり保水性が高いと判断する。

​培地排水性テスト

●植えつけの方法

 イチゴ苗を溶岩礫に植え替える時に完全に土を洗い流した物、半分程度残した物、ポリポットから抜いて周囲の隙間のみに溶岩礫を入れたものを3品種を上記3種類の方法で栽培テストを行いました。

​装置は縦型のテストを兼ね上下に3段で行いました。

縦左から1列は完全に土を洗い流した物で2列目は半分程度土を残した物、3列目右側は苗を買ってきてポットから抜きペットボトルとの隙間だけ溶岩礫を入れてテストしました。

灌水は2時間に10分で冬季のため溶液タンクに氷が張ってしまう為、昼間9時から3時までの間だけタイマーをセットしました。

これは露地で温室等の保温はしないで育てます。

11月なので春先まではロゼット状態で休眠期をむかえます。

●春先途中経過

 ロゼット状態のイチゴたちも春を迎え気温の上昇と共に生育も旺盛になってきました。

 3種類の苗、3種類の植え付けですが生育に違いは見られません。画像では左1列の土を完全に洗い流して植えつけた株の実付きが早いようですが、左端のため太陽の光が多く当たったためではないかと考えられます。

​ 余談ですが、この後順次収穫し頂こうと思いましたが、ハダニの発生したので野菜お酢というものを散布したところ霧が実についてしまい変色してしまったので味は確認できませんでした。↓

●その後

 初夏になると更に生育は盛んになり、思った以上に育ちました。

今回は縦に3段垂直栽培ですが、溶液タンクから最上部のポットに溶液を汲み上げるためには揚程のカタログ数値が4メートル程度の能力が必要となります。自作をお考えの方は参考にして下さい。

 水捌けは土を洗い流さなかったものは排水が悪くなったのでペットボトルを揉んで水の通りを良くしました。

​溶岩礫のみの物の排水性はとても良い状態が続いています。

​特に気を付けなければならないのは冬季に凍った時にはポンプが動かないようにタイマーを設定しましょう。昼間の溶液タンクが溶ける時間にセットしましょう。冬季は休眠しているので灌水に神経質になることはないでしょう。

★考察

  • 今回のイチゴでは土は洗い流しても洗い流さなくても成長には影響はみられない。

  • 土を残して溶岩礫に植え付けると目詰まりにより排水が悪くなる。

  • 垂直栽培等溶液タンクからポットの灌水カ所の高低差があるとポンプのゆ揚程能力が必要となる。

  • ​冬季は溶液タンクが凍るので、タイマーのセットを溶液が溶けてから作動するように設定すると良い。

6号ポット栽培装置テスト

●6号ポットでの装置製作

 いよいよ栽培シーズン突入しました。店頭にも色々な野菜の苗が並ぶ時期が来ました。

メジャーなトマト、ナス、キュウリをテストで栽培してみます。

今回は少し大きめの6号ポットを使います。どの位の培地量が良いのか確認のため4号ポットでのトマトも試してみます。

​装置の構想のため横並び自作装置の作成を行いました。

​ポットに灌水され鉢底から流れ出た溶液は台の空洞部分を通り溶液タンクに戻る構造です。

意外と鉢底から排出された溶液を溶液タンクに戻るような装置を作るのは厄介です。

​鉢の台は1mで1㎝の勾配を付け自然にタンクに戻ります。

●栽培開始

 これに野菜苗を植えたポットを載せタイマーでポンプを間欠で動かし灌水します。

​株の成長を考え溶液タンクは60リットルの容量を使い、夏の蒸散量が多い時でも対応できるようにしました。

液肥は水耕栽培用を使いEC測定器で1000から1200程度で栽培してみます。

​灌水量はポット内の溶岩礫全体に浸透するように多めにします。

点滴灌水だと作物の水分吸収のため培地内の肥料濃度が蓄積されてしまうためです。灌水量は培地の溶液成分をタンク内の溶液濃度と同じようになるようにリセットの意味でタップリの量にします。

​さてこの先成長はどうか楽しみです。

●成長確認

 6月の梅雨入り時トマトに雨が掛からに様にひさしを付けました。

7月に入ると生長も著しくグングン伸びてきました。

トマトは天井まで届いてしまったのでここから横に曲げます。

​6号ポットの培地の量が3リットルでも十分成長するようです。

この時期は1日に15cm程度茎が伸びています。

昼夜2時間に15分タイマーにて灌水。夜間は灌水を少なくした方が良いような感じです。

特に種から栽培を開始する場合の芽だし直後は夜間灌水をやめることにより夜間の気温上昇による徒長を防ぐことが出来そうです。

​他の9号程度のポットも栽培してみましたが6号と大差はありませんでした。培地の量が少なくても間欠ですが常時新しい溶液が根の周りを流れるため水分や肥料成分は足りるためだと思います。

●溶液タンクについて

 溶液タンクですが、盛夏は直射日光が当たる場所ですと溶液温度が上がってしまうので日陰の場所もしくは直射日光を遮ります。直射日光が当たるところに水道のホースを放置すると中の水は40度を超える水温になります。良く水耕栽培でも問題となるのが水温上昇です。作物直下に溶液が溜まる構造だとかなり温度は上がってしまいます。

須高の場合根が溶液に浸かっているので溶存酸素濃度が低下してしまいます。

この点循環式礫耕栽培ですとタンクを日陰に置くことで溶液温度の上昇を防ぐことが出来ます。また蓋を開けておくと気化熱によりさらに溶液温度上昇を防止できます。風通しが良い場所だとなお良いでしょう。

​また灌水間隔を短くすることでポット内の温度上昇も防ぐことが出来ます。

★考察

  • 礫耕6号ポット栽培でも十分トマトは育つ。

  • ポットの台を循環式の溶液回収ルートにしたが作成に手間が掛かる。1ポットごとのユニット連結にしたい。

  • 溶液タンクの容量はトマト類では1株当たり10リットル程度必要。6株で一日10リットルが減る。

  • 夜間の灌水は控えた方が夜間の成長を押さえられ株をコンパクトに出来るかもしれない。次期シーズンテスト予定。​また灌水量を絞り高糖度トマトに挑戦してみる。

​少量培地時の栽培テスト

●4号ポットでの栽培テスト

 トマトは6号ポットで十分成長させることは出来ました。

そうなるとどこまで培地の容量を少なく出来るのか?と疑問が湧きます。

実は6号と同時に4号ポットでのトマト栽培も試していたのです。これは種から育ててみました。普通考えると4号ポットでトマト無理って思いますよね。

​ところがそれなりに育ってしまったのです。まあ1株だけだったので6号での栽培と比較は難しいのですが、ここまで育ったのは驚きです。

 かなりポットの中には根がびっしり詰まっていると予想出来ますが灌水した水はスムーズに鉢底がら流れ出ます。

​これは溶岩礫の排水性がとても良いって事だと思います。容量が少ないので根は余分に伸びなくても定期灌水で水分や養分を吸収できるからなのでしょう。

★考察

  • 培地の量が少なくても根が溶岩礫の隙間をジグザグに伸びていくため水分や養分を吸収できる。水耕栽培や粒子の細かい土などの土では主根や側根がまっすぐ伸びてしまいますが溶岩礫の粒の壁により屈曲しながら伸びび、根毛もポット内で無駄なく分布する物だと思われます。

​密植えの影響調査

●4号ポットでリーフレタス栽培テスト

 10月に入りリーフレタスの種を撒き、苗を1ポット1株と数株を植え付け生長の違いを確認してみました。

どちらも生育良好です。

一般的に間引きを行いますが肥料成分は根圏に随時届くため他の株と奪い合いは起きないため成長は複数植えでも旺盛です。

​生長した葉から摘み取り収穫していくと脇葉が順次大きくなるので根ごと収穫しないで成長した葉だけを収穫していくと良いようです。

●3号ポットで小松菜栽培テスト

 同様に小松菜でもテストしてみました。

これはポットに直に種を撒いてみました。

生長した葉から収穫していくと次々に新しい葉が伸びてきます。

​画像に様にポットは小さいですが水捌けはとても良いです。

★考察

  • 葉物野菜なら数株同時に生育できる。​一般的に間引きは肥料成分を取りあうため間引きを行うのですが、肥料成分は各株に十分供給されるため間引きしなくても十分育つ。

  • 液肥の肥料同度は推奨値(EC値1200)でセットしタンクの減水分を水道水を追加しました。概ね溶液タンク量分の追加した時点で全量交換し液肥追加して適正濃度にしましたが、かなり生育が旺盛のため、来シーズンはEC値を下げた場合の状況をチェックします。これは葉物で問題とされる硝酸態窒素とも関係します。余分に肥料成分を与えると硝酸態窒素を溜めこんでしまいます。生長と施肥のバランスを調べたいですね。

6号ポット栽培テスト

●白菜キャベツはできるのか

 無事トマトも育ち収穫時期が終わったので他にどんな物が栽培出来るのかと欲が出ちゃいました。

ちょうど時期的に夏植え秋収穫の白菜やキャベツの苗が店頭に並び始めました。

 う~ん…6号ポットで白菜やキャベツは無謀かとは思いましたがチャレンジです。この話をした人達は無理だと言ってますが。

●さて結果は

 収穫までおよそ70日最初は順調に成長を初めています。

問題はさらに大きくなり結球するかどうがです。白菜、キャベツだと結球しないと上手く出来たとは言えませんね。

 外葉も10枚を超えたころから内葉の成長に従い徐々に内側に丸くなってきました。

70日を過ぎる頃には皆さんの予想を裏切り売り物に出来るのではないかと思うほどに成長しました。

​さて味見は?意外と美味しく出来ました。

★考察

  • 意外となんでも出来てしまう。

  • ​ポット間の間隔、前後の間隔は成長した時の大きさを考えて配置した方が良いですね。

設計の方向性確認

ポットと灌水と排水部
  • 4号から7号ポットで試したが、大きいサイズを使えるようにする。小さいサイズのポットでも使用可能にする。

  • ポットは台に固定しないで取り外しが出来る様にして入れ替えや台風時に避難できるようにする。

  • 1つのユニットにして、各ユニットは簡単に連結出来る様にホースで連結する。

  • 灌水量を調整できるようにするためノズル上部にバルブを付ける。

  • 根が伸びて行かないようにポットの底と台は空間を開ける。

  • ​10個程度のユニットが連結できるようにする。

液肥
  • 液肥は基本的に水耕栽培用肥料を使用する。

  • 濃度は液肥推奨希釈倍率とし、水量調整時は適宜調整。

​​溶岩礫の粒径
  • 粒径は鉢底の穴を通り抜けない程度で最大6ミリ程度。

  • 溶岩礫は単体で使い、他の培地は混用しない。

  • 栽培が終了したら根を取り除き再使用可能とする。

​​灌水ポンプ、タイマー
  • ポンプは溶液タンク投入型としACアダプターかを選択若しくはコントローラーにて5V~24Vで使用可能な物を使い、ポットの設置数によって対応可能にする。

  • タイマーは1日に12回程度設定でき1分単位で入り切りが出来る物にする。

  • 吸水口にはスポンジフィルターを取り付け異物の吸い込みを防止する。

  • ​溶液タンクはポット数により容量は適宜選択。

図面作成開始!
3Dプリンターで試作作成
礫耕ロゴマーク小.png
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